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トビー・ロルネス

トビー・ロルネス 1 (1)トビー・ロルネス 1 (1)
(2008/07)
ティモテ・ド・フォンベル

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身長1.5ミリの少年、トビー・ロルネスは、母と科学者の父と、
大きな木の下枝で暮らしていた。幸せにくらしていたロルネス一家は、父、シムの発見がきっかけで、両親は投獄、そしてトビーは、賞金をかけられ、何千もの人々に狙われることとなってしまう……。

トビーが追われ、絶体絶命のシーンから物語ははじまる。
いったいどうして、トビーが狙われているのか、そしてこの世界はどんなものなのか?
ひきつけられるように、お話を読み進めた。
1.5ミリのトビーたちは、ちょうど私たちが地球にすむように、一本の木に住む、虫ほどの大きさの人間だ。虫や木から生活の糧を得ている。この世界でも、金持ちやそうでないもの、力を持つ者、もたないものが当然いる。トビーたちの世界を、自分たちの地球と重ねながら読んだ。


全4巻のまだ1巻目なので、物語はこれから、というところ。2巻目の『逃亡者』は9月、3巻目『エリーシャの瞳』は12月、4巻目の『最後の戦い』は来年3月に発売とのこと。続きが待ち遠しい。(S)

チームふたり

オリンピック、もりあがってますね。スポーツをあまり見ない私ですが、お盆なのでちょっと見たりしています。というわけで、スポーツものを。
チームふたり (学研の新・創作シリーズ)チームふたり (学研の新・創作シリーズ)
(2007/10)
吉野 万理子宮尾 和孝

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今年の読書感想文の課題本です。

大地は小学6年生。卓球部のキャプテンだ。引退試合には、ぜひともベスト8に残りたいと思っていたのに、先生は大地のダブルスの相手を、5年生にしてしまったのだ。
なかなか納得がいかない大地だったが、そんなとき家庭でも女子卓球部でも、たいへんな「事件」が起こってしまう。大地は悩みながらも……。


さわやかな中にも、ああ、日本の現代だなあという問題がぴりっぴりっと描かれています。大地の家庭、女子卓球部のルリの問題……。でも、まったく暗くならずに、さらりと書いているが故、大人の私には、うーんと考えてしまう何かがありました。今の日本の児童書では、だいたいのものに、こういうのが描かれていて、これが一つの特色なんだろうなあと思ったりしています。
と、脇にそれました。

ほんとうは、こちらがテーマではないので、小学生の方は卓球や、大地の成長、家族のつながり、友情などを読んでくださいね。読み終えて、ほっと、安堵のためいきがつける作品です。(s)

山に木を植えました

イラストがかわいい科学?絵本です。
山に木を植えました山に木を植えました
(2008/05/29)
スギヤマ カナヨ

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山に木を植えました。
木はえだをのばし、葉をしげらせ、
やがて、実をつけます。
木の実は
さまざまなほうほうで、
つぎのいのちに、つながってきます。


ぱっと見は、まるで雑貨のようにかわいらしいイラストなのですが、中身はしっかりと自然界の連鎖について説明している絵本です。木の実をリスやネズミをたべ、それをきつねやフクロウがたべる、とかどうぶつのフンや死がいは木の栄養になるとか……。そして話題は、森のことだけでなく、雨がふって地面にしみこんだ水へ。「ふようど」からフルボ酸と鉄、えいようをつれた水が今度は川へ、そして海へ。

この絵本は、すべての生き物がつながって、わたしたちにつながってくるということを、とてもわかりやすく、そして楽しく教えてくれます。それもそのはず、この絵本を監修しているのは、「森は海の恋人」を合言葉に植林活動を続けている畠山重篤さん。漁師であり、木を植える人であり、児童書もだしている畠山さんのことばを引用しておきます。


「漁師さんが始めた植樹祭は、川の流域でくらす人々の心を動かしました。みんなで川をよごさないように気をつけるようになったのです。30年も姿を消していたウナギも、数年前から少しずつもどってきました。
人の気持ちがやさしくなると、森も川も海もたちまち生きかえるのですね。」


耳の聞こえない子がわたります

小学校高学年の読書感想文課題図書です。
耳の聞こえない子がわたります耳の聞こえない子がわたります
(2007/08)
マーリー・マトリン

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ミーガンのとなりに引っ越してきたのは、内気な少女、シンディでした。
同い年の女の子が引っ越してくるとしって、ミーガンはわくわく。
あたしのことからかったりするかな? 
ううん、絶対違うにきまってる……。
親友になってくれますように!


よくある女の子同士の友情を描いた物語なのですが、実はミーガンはタイトルのとおり、耳が聞こえません。とはいえ、明るくて、活発で積極的なミーガンは、そんなことはどうでもよいくらいのノリで、シンディと友だちになっていきます。シンディも、ミーガンのために手話を覚えたり、気を配ったりはしますが、だからといってミーガンをかわいそうなんて思ったりはしていません。障害を扱ったものの中には、どうしても同情や自分とちがったものに対する複雑な感情を売りにするようなものがあるのですが、この作品は、そんな気持ちをぱーっと吹き飛ばしてくれるパワーがあります。障害は個性。けれど、たがいに助け合い理解しなくてはならないこともある。素直にそう思わせてくれる明るさが、うれしい物語でした。

明るい友情の物語に元気をもらえますよ。(s)

花になった子どもたち

課題本を読んでみました。
花になった子どもたち (世界傑作童話シリーズ)花になった子どもたち (世界傑作童話シリーズ)
(2007/11)
ジャネット・テーラー・ライル

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母親を病気で亡くしたオリヴィアとネリーは、父さんが仕事で忙しいため、夏休みの間、ミンティーおばさんのところに預けられることになった。オリヴィアは、必死で父さんに反対し、訴えた。ミンティーおばさんは、とても年をとっているし、妹のネリーはややこしい性格をしているし、きっと大変なことになる、と。子どもを育てたことのないおばさんと子どもたちは、ぎくしゃくと一緒に暮らし始める。案の定、ネリーの地雷は、爆発し、そのたびにおばさんは、あやまってばかり。ところが、ミンティーおばさんが、庭で青いティーカップを偶然発見して間もなく、オリヴィアは『花になった子どもたち』という本を見つける。どうやら、昔この家に住んでいたという作家が書いた物語のようなのだが……。

魔法のような何かが起こるかといえば、起こるような、そうでないような。でも、この本を見つけ、ティーカップを見つけ出していくオリヴィアとネリーには、確実に変化が訪れます。うん、こういうの、とても好みです。王道というか、《こういう児童文学がよみたかった》という作品です。ファンタジー、になるのでしょうか。

ちなみに、近づきすぎるでもなく、離れすぎるでもなく、でもおせっかいでもあるミンティーおばさん、私は好きです。私も実は案外子どもは好きですが、べたべたしたのは嫌いなので、いつかこういう感じになれればと思います。(子どもからは、どう思われるのか、わからないですけどね) (s)

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